お風呂屋さんの日常。

本当の故郷は自分に似ている人に一番多く出会う場所だ。

読書

「社会からの疎外に如何に向き合うか」、『人間はどこまで家畜か』 熊代亨 著

人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書) 作者:熊代 亨 早川書房 Amazon 1.「自己家畜化」とは? 本書は、人間という種族のこれまでとこれからを「自己家畜化」というキーワードをもとに考察している。 著者は、ブロガーであり精神科医でもあ…

「言語は現地を映し出す鏡である」、『語学の天才まで一億光年』(高野秀行 著)

語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 私たちの思考は、日常的に使用している「言語」にかなり規定されている。 よく出される例として、虹や雪を構成する色の数が「言語」の種類によって違っていることが挙げら…

「この街が必要とされてきた理由」、『飛田で生きる』(杉坂圭介 著)

遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 飛田で生きる (徳間文庫カレッジ) 作者:杉坂圭介 徳間書店 Amazon 「なぜ、この街が必要とされてきたのか。」(p.10) いつの頃からか、踏み越えてしまったら戻れなくなってしまうような境界線の向こう側の風景に惹…

「理想の大人から遠く離れて」、『シティガール未満』(絶対に終電を逃さない女)

「東京には東京の残酷さがあって、けれど東京には東京の優しさも確かにあった。」(p.3) はじめて「東京」を訪れたのは、たしか18歳と19歳のあいだの頃だった。正確には幼児の頃に家族で来ていたらしいのだが、その時の記憶は全く残っていないので、それは…

「身近な街をまるで異国のように旅してみる」、『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(谷頭和希 著)

私たちの生活はチェーンストアに取り囲まれている。にも関わらず、私たちのチェーンストアへの一般的なイメージは以前とそれほど変わっていない。そのイメージの解像度を高めていき、ステレオタイプを解体し、新たなイメージへと再構築していくこと。それが…